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Zhang, P.*; 木村 貴海; 吉田 善行
Solvent Extraction and Ion Exchange, 22(6), p.933 - 945, 2004/00
被引用回数:13 パーセンタイル:45.25(Chemistry, Multidisciplinary)時間分解レーザー誘起蛍光分光法を用いて種々の条件下でのCyanex923-ドデカン/硝酸(または硝酸-硝酸ナトリウム)系におけるランタノイド(III)イオン(Ln=Sm, Eu, Tb, Dy)の内圏水和数(N)(第1配位圏内の水分子数)を決定した。さらに、octyl(phenyl)-N,N-diisobutylcarbamoylmethyl phosphine oxide(CMPO), dihexyl-N,N-diethylcarbamoylmethyl phosphonate(CMP), trioctyl phosphine oxide(TOPO)及びtributyl phosphate(TBP)で抽出されたLn(III)のNも決定した。CMP錯体中のSm(III)及びDy(III)を除き、Ln(III)錯体の第1配位圏内に水分子数は存在しなかった。
永石 隆二; 木村 貴海; 吉田 陽一*; 古澤 孝弘*; 田川 精一*
Journal of Physical Chemistry A, 106(39), p.9036 - 9041, 2002/10
被引用回数:3 パーセンタイル:8.63(Chemistry, Physical)ユウロピウム(III)の還元に及ぼす配位状態の影響を解明するため、パルスラジオリシス法により水和電子とアミノポリカルボン酸錯体との反応の速度定数を測定した。ここで、錯体の内圏水和数が異なる9種類のアミノポリカルボン酸を用い、錯体の水和数や安定度定数,酸化還元電位と速度定数との線形関係を見いだした。このような錯体の還元機構を明らかにするため、速度定数の温度依存性により反応の活性化パラメータを評価し、ユウロピウムの3価/2価間の配位状態変化に伴う配位子の再配向が反応に直接反映していること、つまり、反応に対する支配因子がエントロピー項であることを明らかにした。さらに、速度定数のイオン強度依存性により還元機構における拡散過程について検討した。
有阪 真*; 木村 貴海; 菅沼 英夫*; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 90(4), p.193 - 197, 2002/05
被引用回数:14 パーセンタイル:65.5(Chemistry, Inorganic & Nuclear)塩化リチウム-メタノール水混合溶媒を用いる陰イオン交換分離系におけるEu(III)とCm(III)の樹脂相での存在状態を解明するために、時間分解レーザー誘起発光分光法を適用した。発光寿命測定により決定した内部水和数及び発光スペクトルの解析からイオンの存在状態を評価し、(1)Eu(III)とCm(III)の内圏型クロロ錯形成は塩化リチウム及びメタノール濃度の増加により促進されること、(2)両イオンともに溶存種に比べて吸着種の方がより高次の内圏型クロロ錯体であること、(3)Eu(III)に比べCm(III)の方がより高次の内圏型クロロ錯体を形成しやすいことを明らかにした。以上の結果はそれらの分配係数()とも良い相関を示し、Eu(III)とCm(III)のは(1)と(2)によって増加し(3)によってその相互分離が達成されることを見いだした。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 74(10), p.1899 - 1900, 2001/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)レーザー誘起蛍光分光法を用いて、ポリメタクリル酸及びポリアクリル酸と錯形成したEu(III)の内圏の水分子数Nを、温度及び高分子電解質のa(酸解離の程度)の関数として測定した。ポリメタクリル酸の配座遷移がNのa依存性に明瞭に観察された。
木村 貴海; 永石 隆二; 加藤 義春; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 323-324(1-4), p.164 - 168, 2001/07
被引用回数:50 パーセンタイル:87.59(Chemistry, Physical)水-非水溶媒2成分混合系に溶解したEu(III)の第1配位圏内の溶媒組成を発光寿命の測定により研究した。ヘキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ホルムアミドまたはジメチルアセトアミドと水との混合系において、第1配位圏内の水分子数(内部水和数)を決定するとともに、非水溶媒分子がEu(III)に優先的に溶媒和することを明らかにした。一方、ピリジン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトンまたはアセトニトリルと水と混合系では溶媒和に比べて水和が強く、溶媒分子自身による消光なども影響するため、内部水和数の直接決定は困難であった。各混合系において、溶媒和の強さはバルク溶媒組成とともに大きく変化した。溶媒和の強さは溶媒のドナー数(電子供与性)及び双極子モーメント(静電的相互作用)の順序にほぼ一値したが、一部、溶媒分子の立体的障害も影響することを明らかにした。
廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 窪田 健二*; 片貝 良一*
Polymer, 42(5), p.1863 - 1867, 2000/12
被引用回数:41 パーセンタイル:79.48(Polymer Science)温度応答性アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)ゲルの体積相転移挙動を水とアルコールの混合溶媒系中で調べたところ、系中のアルコール成分の増加とともにゲルは、膨潤-収縮-再膨潤-再収縮と体積総変化を示すことがわかった。一方、温度応答性N-イソプロピルアクリルアミドゲルの場合、再収縮挙動は存在しないことが知られている。そこで、A-ProOMeゲルで観察された再収縮挙動の原因を明らかにするため、赤外分光法で解析を試みた。その結果、再収縮挙動は系中のアルコール成分の増加によって、水素結合性カルボニル基の割合が変化するため起こるとわかった。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 巻出 義紘*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.335 - 340, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:72.22(Chemistry, Analytical)天然に存在するフミン酸のような高分子有機酸とアクチノイド(III)及びランタノイド(III)との錯形成は重要であるが、その不均一性によりその錯構造は明らかではない。Eu(III)とポリカルボン酸[ポリアクリル酸(PAA),ポリマレイン酸(PMA),ポリメタクリル酸(PMAA),ポリヒドロキシアクリル酸(PHAA)]をモデル物質に用いて、レーザー誘起分光法により錯体の水和数Nの測定からその構造を研究した。PAA錯体ではpH2.5から錯形成し、3.5pH9で2.5N4であった。PMM及びPHAA錯体のNは安定度定数と逆の順序(PHAA錯体PAA錯体PMA錯体)であった。これは、より多くの脱水和により安定な錯体が形成されることを示す。PMAA錯体のNのpH依存性は他の錯体と異なり、pH7で極大を示した。pH滴定、粘性測定からPMAA錯体の急激な形態の転移としてこれを解釈した。
木村 貴海; 加藤 義春; 武石 秀世; 高橋 嘉夫*; 薬袋 佳孝*; Choppin, G. R.*
Proceedings of OECD/NEA Workshop on Evaluation of Speciation Technology, p.61 - 81, 1999/00
金属イオンの第1水和圏内の水分子数(内部水和数N)は、化学種の配位環境に関する分子レベルの情報を提供する。時間分解発光法を用いてIII価アクチノイドAn(III)[An=Am,Cm]及びランタノイドLn(III)[Ln=Nd,Sm,Eu,Tb,Dy]の発光寿命とHの相関を系統的に研究した。DO-HO混合溶液中のHOの濃度と1/の比例関係及びHO中におけるNの値から、測定によるHO評価のための相関関係を提案した。これらの関係をポリアミノポリカルボン酸錯体中のAn(III)とLn(III)の水和状態、陽イオン交換樹脂へのCm(III)とEu(III)の分離挙動、及びシリカ、粘土鉱物へのEu(III)の吸着挙動の研究に適用し、上記の方法が種々の環境におけるAn(III)及びLn(III)の化学種の解明に有効な手段であることを実証した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 275-277, p.806 - 810, 1998/00
被引用回数:110 パーセンタイル:96.65(Chemistry, Physical)ランタノイド[Ln](III)イオンの内部水和数Nと発光寿命との相関を調べるために、一連のポリアミノポリカルボン酸を配位子とするLn(III)錯体[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の水和状態を詳細に研究した。DO-HO溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したHO中でのNから、錯体中のNを評価した。各錯体中のEu(III)とTb(III)の平均のNは文献値とよく一致した。Sm(III)とDy(III)の最低励起状態と基底状態のエネルギー差はほぼ等しいため同様な消光挙動が期待できるが、測定したSm(III)のNはDy(III)のそれより大きな値を示した。また、DO中の錯体の発光寿命の測定では、これらの配位子によるLn(III)の消光はみられなかった。これらの結果は、Sm(III)の総配位数はEu(III),Tb(III)及びDy(III)よりも約1大きいことを示唆する。Ln(III)のN決定のための相関関係の導出を検討した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 278, p.92 - 97, 1998/00
被引用回数:69 パーセンタイル:92.91(Chemistry, Physical)時間分解蛍光法を用いて、流動(室温)及び凍結(液体窒素温度)状態にある高濃度塩溶液(NaCl,NaNo及びNaClO)中のランタノイド[Ln](III)イオン[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の内部水和数Nを発光寿命測定により研究した。凍結溶液中のLn(III)の消光挙動は、流動溶液と同様にイオンの励起状態から水和水のOH振動へのエネルギー移動によることを明らかにした。各温度でのDO-HO溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したHO中でのNから塩溶液中のNを評価した。流動溶液中でのLn(III)のNから、NOは内圏錯体を生成するがClとClOは生成しないこと、ClOは高濃度で水和水の消光効果を促進することを明らかにした。一方、凍結溶液中では、ClとNOが内圏錯体を生成しNが約1及び2~3減少すること、ClOは高濃度でも水和に全く影響しないことを見出した。
木村 貴海; 加藤 義春; 武石 秀世; G.R.Choppin*
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.719 - 722, 1998/00
被引用回数:48 パーセンタイル:88.86(Chemistry, Physical)III価アクチノイド、ランタノイドの分離は、高濃度塩素系での陽イオン交換で可能であるが、硝酸系や過塩素酸系では不可能である。媒質中での分離機構の違いは、吸着種の分子レベルでは明らかではない。これまで、時間分解蛍光法によるCm(III)及びEu(III)の内部水和数Nの決定法を報告してきた。本報では、この方法を固液界面でのこれらイオンの水和状態の研究に適用した。陽イオン交換樹脂AGWX8を試用し、トレーサーによる分配計数K,ならびに酸溶液及び樹脂/溶液界面におけるNを測定した。5M以上の塩酸溶液中でCm(III)とEu(III)のK及びNに違いがみられた:K(Eu)K(Cm),N(Eu)N(Cm)。これは、Eu(III)よりCm(III)がクロロ錯体形成が強いことによる。高濃度塩酸中で樹脂上のイオンの内圏から約3-4の水分子が排除されていた。硝酸、過塩素酸溶液での結果も併せて報告する。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.867 - 871, 1998/00
被引用回数:67 パーセンタイル:92.53(Chemistry, Physical)金属イオンの内部水和数N、すなわち第1水和圏にある水分子数は、化学種の配位環境に関する重要な情報を提供する。励起状態の寿命からIII価アクチノイド及びランタノイドのNを決定するために、蛍光寿命とNとの相関を研究してきた。本報では、ナノ秒オーダーの寿命を持つAm(III)及びNd(III)を対象に、この相関を検討した。DO-HO溶液及び一連のポリアミノポリカルボン酸錯体中のAm(III)とNd(III)の寿命をそれぞれ692nm及び890nmにおいて測定した。DO-HO溶液中での結果から、AmとNdの励起エネルギーはともに配位水のOH振動へのエネルギー移動で緩和されることを明らかにした。一連の錯体中のNの結果はいずれもEu(III),Tb(III)などよりも大きく、Am(III)とNd(III)がより大きな総配位数を持つことが示唆された。これらを基に、蛍光寿命とNとの相関を報告する。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 富永 健*
Radiochimica Acta, 82, p.227 - 232, 1998/00
固液界面での反応の研究では直接的な分光法による化学種の分析が不可欠である。本報では、水溶液中のモンモリロナイト、アエロシル上のEu(III)吸着種のキャラクタリゼーションにレーザー誘起蛍光法を適用した。モンモリロナイト系では、pH6でEu(III)の水和イオンが吸着した。このpH範囲でモンモリロナイト表面の水層によると思われる励起Eu(III)の消光が見られた。8pH13では5~7の内部水和水を失ったEu(III)が吸着した。この化学種は炭酸錯体などの無機錯体と考えられる。またpH9ではEu(III)沈殿によると考えられる短寿命(100s)成分がみられた。アエロシル系では、pH6でEu(III)は吸着した。Eu(III)の発光寿命はきわめて長く、8pH11で吸着種の内部水和数は0.5~2であった。pH=7におけるこの値は4.5から2へと経時変化した。これから、吸着したEu(III)はアエロシルのSiOに取り込まれると考えられる。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳考*; 富永 健*
Chemical Communications, (2), p.223 - 224, 1997/00
固液界面に吸着した金属イオンの化学種の構造に関しては、それに適用できる分析法が限られるために、未解明な点が多い。ここでは、初めての試みとして時間分解蛍光法をイオン交換樹脂に吸着したユウロピウム(III)の水和構造の研究に適用した。強酸性(スルホン酸系)及び弱酸性(アクリル酸系)イオン交換樹脂に吸着したEu(III)と、比較のために鎖状高分子のポリスチレンスルホン酸系及びポリアクリル酸系におけるEu(III)の水和数Nを測定した。強酸性樹脂にEu(III)はpH1で吸着され、7N8であった。ポリスチレンスルホン酸系ではほぼ9であるため、この違いは樹脂の網目状の骨格による効果と推定した。弱酸性樹脂にはpH4で吸着され、ポリアクリル酸系と同様に2.5N3.5であった。以上のように、水和数の直接決定により吸着機構の違いを定量的に証明することができた。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Letters, 212(1), p.11 - 21, 1996/00
ポリアクリル酸及びポリマレイン酸錯体中のユウロピウム(III)に結合した水分子数を評価するために、それらの蛍光寿命を測定した。支持電解質濃度が0.01Mの場合、錯体中のユウロピウム(III)に残存する水和数は3.5~4.5の範囲であった。残存水和数は支持電解質濃度の増加とともに減少した。これらの結果は、錯体中のユウロピウム(III)は高分子配位子によりとり囲まれていることを示す。
木村 貴海; Choppin, G. R.*; 加藤 義春; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 72, p.61 - 64, 1996/00
励起状態の寿命の逆数kと第1配位圏の水分子数nとのキャリブレーションを行うために、水和構造が既知のランタン化合物中にドープしたEu(III)とCm(III)の蛍光寿命を測定した。ここで得られたk-nの相関と文献中の蛍光寿命を用いて、核種水溶液中のCm(III)の水和数を計算した。計算で得られたnは、すべて化学的にみて合理的な結果であった。
木村 貴海; 加藤 義春; G.Meinrath*; 吉田 善行; Choppin, G. R.*
JAERI-Conf 95-005, Vol.2, 0, p.473 - 485, 1995/03
高感度かつ高選択的定量法の時間分解レーザー誘起蛍光分光法(TRLFS)を、水溶液中のアクチノイドのスペシエーション(化学種の状態分析)に適用し、i)U(VI)の加水分解、炭酸錯体形成及び、ii)Cm(III)の水和数の直接決定法について研究した結果を報告する。
石渡 英一*; 木村 貴海; 加藤 義春; 長谷川 佑子*
Anal. Sci. Technol., 8(4), p.499 - 503, 1995/00
ランタノイド系列元素の溶液中における錯体の安定性を研究するために、クロロホルム中におけるランタノイド(III)-テノイルトリフルオロアセトン(TTA)錯体と7種のカルボン酸との付加錯体の生成定数を溶媒抽出法により測定した。カルボン酸との生成定数は概して原子番号の増加とともに減少したが、系列の中央でわずかに変化した。この傾向は系列中央での配位数の変化に対応すると解釈した。配位数の変化を確認するために、Eu(III)の蛍光寿命測定によりEu(TTA)及び付加錯体の水和数決定を試みた。Eu(TTA)及び付加錯体Eu(TTA)HB、Eu(TTA)・2HB(HB=カルボン酸)に対し、それぞれ3、2、1または3、1、0の残存水和数が示唆された。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 225, p.284 - 287, 1995/00
被引用回数:61 パーセンタイル:93.37(Chemistry, Physical)Eu(III)及びTb(III)を参照イオンとして、Sm(III)及びDy(III)の蛍光寿命の逆数Kと第1配位圏の水分子数nとの関係を調べた。DO/HO中及び臭素酸塩中のランタノイドイオンの蛍光寿命の測定から、HO中のSm(III)及びDy(III)のnはそれぞれ9.00.5及び8.40.4であることを明らかにした。さらに、ドナー配位数が既知のポリアミノポリカルボン酸とランタノイドイオンの1:1錯体を用いて、K(ms)の測定からSm(III)及びDy(III)錯体中のnを決定する実験式;n=0.026K(Sm)-1.6及びn=0.024K(Dy)-1.3を提案した。
木村 貴海; Choppin, G. R.*
Journal of Alloys and Compounds, 213-214, p.313 - 317, 1994/00
被引用回数:265 パーセンタイル:99.74(Chemistry, Physical)Eu,Tbなどのランタノイドイオンに対し、蛍光寿命の逆数(K=1/)とイオンの水和数(n)との間に直線的な相関がある。Cmに対し同様の関係があるかどうかを検討するために、Euを参照イオンとしてCmの蛍光寿命を種々の系において測定した。DO/HO中及びランタン化合物中のCmの蛍光寿命の結果からKとnの間に次の関係があることを明らかにした。n=0.612K(ms)-0.468。この関係をEu錯体に対し水和数が既知のポリアミノポリカルボン酸のCm錯体に適用し、水和状態を研究した。Eu,Cm錯体は同様の熱力学パラメータをもつにもかかわらず、Cm錯体の水和数は明らかにEu錯体のそれより大きかった。本報においてその結果を議論する。